私がスローピッチジャークに出会ったのは、今から20年ほど前になります。スローピッチジャークは、釣り方もターゲットにする魚種も、そして釣果も、それまでのジギングとは全く別次元のものでした。私はジギングのメッカ・高知にこのメソッドを初めて持ち込み、また日本各地でこの釣法を追求し続けてきました。
スローピッチジャークの醍醐味は、自分の意図をジグに伝え、狙った魚をキャッチすることにあります。もちろん初心者でも釣果が得られることに違いありませんが、極めれば極めるほど奥が深いのが魅力。しかしその奥深さを楽しめるジグは、かつて世に存在していませんでした。
ないなら自分で作る。思いを伝えられるジグを作る。それが、シーフロアコントロール創業の始まりです。
創業以来、長年培ってきた経験と感性をカタチにしたい、そしてお世話になった方々へお礼をしたいという思いで全力投球してまいりました。当社のこだわりは、何と言っても製品の質の良さです。人の倍以上の時間をかけ、労力をかけ、手間をかけ、世界一のジグを作る。その精神は社員一人ひとりに受け継がれています。
我々の製品群は国内外で高い評価をいただき、今や業界のトップランナーへと成長することができました。これはひとえに、協力していただいた皆様のおかげです。周囲への感謝の気持ち、そして地元高知への貢献の気持ちを忘れず、前進していきたい。これからもより良いモノづくりに邁進し、スローピッチジャークを広めていきたいと考えています。
ー代表 弘田一博
アングラーを魅了する、最高級のメタルジグ
ー自社開発にかける思いをお聞かせください。
ショートからロングまで、当社では様々な状況下や魚種に対応するアイテムを展開しています。各ジグには明確なコンセプトがあり、釣れるジグ、ジギングを真に楽しめるジグだけを世に提供しています。
ジグを生み出すまでには、並々ならない手間をかけています。繰り返しテストを行い、引き抵抗がない物、潮抜けが良い物、魚を確実に得られる物だけを商品化します。また一つのモデルが完成しても、それを等倍展開することはありません。実際に船上で何度も削り込みを行い、その重さに合ったディテールを納得いくまで作り直す。試行錯誤を繰り返すことで、最高のジグが完成しています。
ージグ製作には、専門家の意見も取り入れていると伺いました。
流体力学を専門とする教授や、メタルジグの深海での動き、色の見え方を調査アドバイスしていただく独立行政法人海洋研究開発機構など、当社では他分野の方にも助言をいただいています。そうしたアドバイスと、20年以上の経験で得た感性を融合させることで、圧倒的に他社を上回るジグを開発することができるのです。
ーハンドメイドのものづくりにもこだわっていますね。
自社工房では、機械に頼ることなく職人の手作業でジグを製作し、質の良さを維持しています。当社のジグを上回る物は他にない、この先も出ることはないと断言できます。ジグの美しさ、精巧さには確かな自負がありますが、より一層クオリティを上げるためには、今も日々の研究が欠かせません。
「海底制圧」に込めた思い
ー社名には、どのような思いが込められていますか。
かつてのジギングはカンパチやブリといった一部の魚種のみがターゲットでした。しかしスローピッチジャークは、様々な魚種を狙える釣りです。またターゲットを決めたら、その習性や、釣れるためのフックセッティング、どうしゃくるかを探求する多彩な楽しみが味わえます。
「海底制圧」という言葉で私が本当に伝えたいのは、スローピッチジャークが持つ釣りの楽しさ、奥深さです。狙える魚種がたくさんあり、海に出るたびに異なる楽しさが味わえる。その魅力を、当社の製品を通じ、感じてもらえたら嬉しいです。
企業人である前に、釣り人でありたい。
ースローピッチジャークの伝承者として、また発信者として、常に新しいものを提供していますね。
会社創業以来、世にないものを地方から発信したいと思い、走り続けてきました。私は会社の代表ですが、それより前に「釣り人」です。釣り人として自分が欲しい物、自分が楽しめる物を作りたい。そして会社が得たものは、釣り仲間に、海に、地元に還元したい。単純ではありますが、その考えは変わることはありません。これから先、新たなジャンルにも果敢に挑戦し、風穴を開け続けたいと思っています。